建造物やそのガラス面に映り込む風景の中に、街や人々の息遣いを捉える「City Portrait」シリーズ。
本作は渋谷にある光景。ガラス張りの建造物が増え、中にテナントを置くショップの様子が街中の一要素として露出される。一方で光の入り方によっては外光が強いために中の様子が後退し、むしろ映りこんだ外部の景色があたかも建物内部に存在するものとして見えてくることもある。
そしてこの建物のガラス壁を支える柱が画面中に垂直に並んで配置されていることも、どこか立体感を後退させ複数のパースがあるように感じさせる要素となっている。
ここでは画面中央の広告や右上の建物が映り込みである。そのように見ていくと次第に中にいる人物までもが実在なのか映り込みによる像なのかわからなくなってくる。しかし都市空間はそのようなことはお構いなしに、ただ記号として処理するようわたしたちに求めてくる。
すなわち都市においてはあらゆるものがちぐはぐに結びつきながら、無意識のうちに見られる対象として存在しているのである。